100校計画の高校は今に戻る

2008年神奈川県立高校最新事情

作者:柳沢マサ

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広くご意見を聞き、神奈川県立高校の今を伝える、楽しいページを作っていけたらと思います。

まえがき

 旭、港南台の開校から35年を迎えた。
 神奈川の高校は(だけに限らず、全国どこでもそうだが)、大まかに県立と横浜・川崎・横須賀(などのように)市立、私立に分かれるが、神奈川は、私学発祥の地であり、私学王国といわれている。
 しかし、神奈川は、40年ほど前、一時期5年で100万人の人口が増えた時期もあった。 反動で、子どもの数が急増したが、私学では、何らかの事情で、大量に高校新入生を受け入れることが出来ず、県にしわ寄せがやってきて、結局、県独自で高校の大量増設を打ち出すようになった。
 「100数十校増設すべき」との意見もあったが、神奈川県の地勢上の制約などから、はじき出された数は「100」だった。 そのため、以後、高校増設15ヵ年計画は「100校計画」と称されるようになったが、100校計画で開校した高校のうち、7割方は、36学級規模のマンモス学校にせざるを得なかった。
 その後、平成に入り、県全体の県立高校の入学者は、最盛期は12万人だったのが、現在は6万人に半減している。 そのため、「県立高校改革推進計画」が発表され、25組の統合を中心に、単位制普通科、総合学科、フレキシブルスクールなど、数多くの新しいタイプの高校の整備を打ち出した。
 平成20年度現在、今までに20組の統合を断行、残りの5組も来年、再来年中の統合を予定している。
 県立高校改革計画の中途で、(改革後、最終的には)142校を計画的に維持するために、「まなびや計画」が発表されたが、神奈川県立高校は、100校計画以降、高校生の人口増減の浮き沈みが激しく、このような3大計画が打ち出されることが特徴になった。
 また、この場を借りて書くが、管理人も、33といい歳ではあるが、この度は横浜修悠館に入学した。 以後は、学術を吸収し頑張ると同時に、「神奈川県立高校発日本再建」を目指す。

県立高校改革後期計画新校8校始動

 平成20年度現在の県立高校数は147校だが、横浜緑園総合、横浜国際、横浜修悠館、弥栄、横須賀明光、海洋科学、秦野総合、小田原総合ビジネスの新校8校がスタートした。
 これまでの単位制普通科、総合学科、フレキシブルスクール、総合技術科、総合産業科に加え、集合型専門学科、国際情報科、通信制単独校、総合ビジネス科、海洋化学科など、県立高校の学びのシステムは多彩になった。
 また、前期計画で開校した高校も、開校から4〜5年経過し、実績的にも応用段階に発展するといえよう。 同時に、受験しようとする中学生に向けて、新校の魅力をより周知する必要がある。
 なお、余談ではあるが、横浜修悠館では、前期選抜で受験者が殺到し、最終的には、定員625人のところ、100人を超える定員オーバーしたほどの大反響を呼んだ。(結局前期選抜志願者は全員合格、後期選抜志願者は、反動なのか定員割れ)

学区撤廃で学校によって活性化したとこも

 平成2年度より18学区となり、以後、地域に密着した学校づくりを進めてきたが、平成17年度より、県立高校改革前期計画の状況を鑑み、学区を撤廃したことで、進学校や、部活の盛んな学校などを受験する生徒に好評である。

非再編の学校にもかなりの改革派を掲げている学校も

 ここでは、新栄、川崎北の例をあげてみよう。
 まず、新栄は、昔は荒れた高校で有名だったが、横浜市営地下鉄ブルーラインのあざみ野延伸で仲町台駅が開設して状況が一変し、平成16年度までは、学区外受験者も殺到するほどの大盛況だった。
 つぎに、川崎北をあげてみると、情報必修化、高校サッカー通信立ち上げ、新制服導入、野球部佐相監督招聘など、かなりの改革を断行した。 特に、情報教育の取り組みは、全国から注目を集めている。

本当の先生の仕事の充実感とは?

 TVで学校の先生の激務の裏側について報道されたが、学校の先生は、「激務に追われる分、同時に、卒業生を世の中に送り出す充実感を感じる職業である」ことに魅力を感じる。
 管理人は、前述の通り、横浜修悠館に入学したが、若い先生の姿をあまり見られず、少々残念。
 何も「神奈川県立高校の生徒は、神奈川県立高校の先生になってほしい」と言ってるわけではないが、これは神奈川県立高校、市立、私立に限ったことではなく、全国の高校で、HRでもいいから、先生の仕事の苦労話を、ちょっとでも教えるべきだ。
 管理人も、学校で、女性の先生の前任校での苦労話を聞き、「退学しそうな生徒の説得に必死だった」とおっしゃった。

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